成績の見方

テストが返ってきている学校も多いようです。先日ある生徒にこう言われました。

不思議なことが起きました。点数は下がったのに順位は上がったんですよね。

そうなんです。大事なのはこれです。点数ではなく、順位を見ましょう。それが正しい分析になります。今回も連続で過去最高を更新した生徒がいます。その生徒も前回よりは点数が下がっていました。ただ、順位は過去最高を更新しています。どうしても点数に目がいきがちですが、それでは正しい分析ができません。

5科合計457点・・・学年順位22番

5科合計440点・・・学年順位15番

どちらが価値があるかと言えば、後者の5科合計440点(学年順位15番)の方です。しかし、点数しか見ていないと誤った評価をしてしまいます。それがお子様のやる気をなくすきっかけになるかもしれません。


今までで忘れられない生徒がいます。その生徒は、当塾に入る前は、

5教科合計が平均点より10点下

でした。当塾に入って最初のテスト結果が

5教科合計が平均点より40点上

でした。学年順位も20番以上上がり、よく頑張ったと思いました。しかし、個票に書いてある保護者の方のコメントが衝撃的だったのです。このように書かれていました(記憶なので正確ではありませんが、ほぼ正確だと思います。あまりにもショックだったので忘れることができません。)

塾に行っただけではダメですね。自分でよく考えて下さい。

これを読んだ時の正直な感想は、

可哀そう(お子様が)

でした。確かに、この成績自体は過去最高ではありませんでした。過去最高点数と過去最高順位はもう少し上でした。しかし、一度平均点以下まで下がった成績を上げるのは、決して簡単ではありません。過去のブログでもお伝えしているように、想像以上に大変なんです。何かをきっかけに大きく下がった成績は、そんなに簡単に上がるものではありません。成績が大きく下がる時はいくつか原因があり、それはお子様によって全く違います。

・友達関係が上手くいかなくなった

・家族関係が上手くいかなくなった

・学校を休むようになった

・スマホを与えてから急激に成績が下がった

・勉強内容につまずいた

・忙しい時期が続き、勉強がおろそかになった

などです。いずれにせよ、その状態がしばらく続いたのだから、これをもとに戻すのは大変であり、この状態で過去最高を超えたなら、それは奇跡と言っても過言ではないレベルです。

結局このお子様は、別のことが理由で退会されました。当塾を退会された方は、5年間で5人未満です。成績が理由で退会された方は2人です。その2人以外にも、成績を上げることができなくて、或いは生徒・保護者が望むような結果を出してあげることができなくて、それでも最後まで通って頂いた方もいらっしゃいます。なるべく最速・最短で結果が出るように指導させていただいておりますが、結果が出るタイミングは読めないものです。ただ、最後まで信じて指導し続けるしかありません。


1月~2月になると受験が近くなるので、

大変な時ですね。

と言っていただくこともあるのですが、一番大変なのは、9月~12月です。ここが一番神経と労力を使っていると思います。なぜなら、毎月のように模試があり、結果が返ってくるからです。その結果をもとに志望校を決めていくことになります。なるべく第一志望校を変えてほしくないので、最後まで結果が出るように指導させていただきます。ここに注ぐ神経と労力は年間の中で最も大きくなります。逆に1月以降は志望校が決まってくるので、「やるしかない」という雰囲気で指導だけに集中できます。生徒もそういう雰囲気になってくるので、最後は皆が目標に向かって頑張れます。しかし、9月~12月は模試の結果が返ってくるので、皆が一喜一憂します。感情が最も揺さぶられる時期です。私も

おぉい!なぜここで下がる!?

と思うことがあったり、

おおー、ようやく上がってきたな。受験には間に合いそうだな。

という風に結果が返ってくるごとに色々と考えさせられます。模試の結果もそうですが、点数で見るのではなく、偏差値で見ましょう。平均点から自分の点数がどれくらい前後しているのかを見ましょう。

受験生にとってここからは、自分と向き合う時間が増えてきます。色々な葛藤があるでしょうが、今を頑張ることで20代以降大きく人生が変わる可能性があります。逆に今を楽すれば、20代以降ずっと苦しい思いをすることになるかもしれません。そう考えると、頑張らない理由なんてないんです。しかし、その話が通じるのは大人だけです。大人は一度経験しているから、この話はよく理解できると思います。しかし、お子様はこれを経験していません。だから、お子様は想像するしかないんです。きっとそうなんだろうなと。

伝える方も難しいです。それをどうやってどのタイミングで伝えるのか?勉強をただ教えるだけなら塾の先生も楽です。しかし、実際はそうではありません。勉強の仕方を教えたり、時には精神論を語ったり、生活習慣のことを語ったり、そういったことも成績アップには必要になります。ギアを1つ2つ上げて、ここから受験までひた走っていきたいと思います。

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