言霊(ことだま)・・・言葉に宿る力
人は、多かれ少なかれ言葉に影響されて生きています。親が使う言葉は、知らない間に子どもに影響を与えていることもあるのです。
うちの娘は公文をやっていますが、1束(10枚)のプリントを終わらせるのに20分~30分かかります。大人がやれば1~2分で終わりそうな内容です。いくら子どもとは言え、時間がかかり過ぎと感じていました。でも、そこでもしかしたら運命の分かれ道なのかもしれません。親が何という言葉をかけるのか?
ほんと集中力ないね
もしこの言葉を頻繁に使うようになると、

私は集中力がないんだ
と思ってしまうかもしれません。その結果、本当に集中力がない子になってしまう可能性が高くなります。無駄に集中力のない子に育ってしまう可能性があるということです。
私は絶対に娘は集中力があると思っているので、一瞬でも集中できた時に



〇ちゃんは集中力あるよ
と声をかけています。すると最近は、以前の半分くらいのスピードで解けるようになってきました。本人の中で集中するコツみたいなのが分かったのかもしれません。本当に集中力のない子なんていないですからね。どんなに学力が低かったとしても、
集中力あるじゃん
と思ったことはあっても、
集中力ほんとないな
と思ったことはほとんど記憶にないです。あるのかもしれないですが、すぐに該当する生徒を思い出すことができません。それくらい集中力がない子っていないんです。ただ、持続力の差はあります。そこは大いにありますが、集中力自体がない子はいないと思った方がいいです。
では、勉強が苦手な人はなぜ苦手なままなのか?
一言で言えば、自学をしていないからです。授業だけでできるようになるのであれば超天才。あなたは天才ですか?99%の人はこれに該当しないのだから、自学をすることでしか成績アップはあり得ません。また、復習するタイミングも極めて重要です。勉強が苦手な人の思考回路は、基本的に「後回し」の人が多いです。だから、教わった直後に復習をするのではなく、3日後や1週間後に復習するので、もうその頃には内容を忘れていることになります。人の記憶はそんなものです。理想は、その日のうちに復習、或いは翌日に復習⇒1週間以内に再度復習です。さらに1か月以内に復習できれば長期記憶に保存されて忘れにくくなると言われています。私は、「記憶術インストラクター」の資格も持っているので、その辺の知識はあるのですが、資格を取る前からこのことは知っていました。だから、授業中にも何度か伝えているんです。



先生はこの中でこの内容が理解できない人はいないと思ってる。誰一人できない人はいないと思っている!今!この瞬間は確かに理解できてる!
でも!これを今日!今日ができなければ明日!自分で復習しないとできるようになりません。今日!復習すればできるようになる。でも、今日!もしくは明日!復習しないとできるようにはならないよ。
黒板をバンバン叩きながら話をしました。いつもこんなことやってるわけじゃありません。でも、タイミングを見て言わないといけない時ってあるんです。だってこれだけ何度も復習して同じ問題解かせているのに、一向にできるようになっていない人がいるんです。しかも個別にフォローまでしておりながらです。これは完全に本人に原因があります。塾でどうこうできるのには限界があります。本人がやらないと成績は上がらないんです。そのことははっきりと生徒達にも伝えています。だから、理解した生徒は劇的に伸びてきます。
勉強が苦手な生徒はできないのではなく、復習するタイミングが間違っていたり、量が足りていなかったりするだけなんです。能力ではありません。今まで5教科合計で約50点だった生徒が、数学や理科だけで50点を取ったことがありました。普通に考えたら、
この子はできない
と多くの人は思うでしょう。でもね、それはやってみないと分からないんです。そして教えると、



案外できるじゃん
と思うことが多いのです。指導者がどう思って指導するか、何という言葉を発して生徒と接するかは、いずれ大きな差を生みます。それは、言葉に宿る力、言霊の影響だと思っています。だから、塾の人は使う言葉を選ばないといけません。いくつものフィルターにかけ、何十何百というフィルターにかけ、それを発するべきか常に考えながら言葉を選ばないといけません。塾業界というのは、そういう職業です。
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