他塾の動向は気にしないといけないのでホームページなどは見るようにしているのですが、最近は1:3の塾が増えてきた印象です。

前は1:2もあったのにな~
と思う今日この頃です。1:3の塾で教えたことがある先生は分かりますが、まともな授業ができません。1:2の授業の時は、一人の生徒を教えていてもう片方の生徒が
問題解き終わりました
とか
ここが分かりません
と言われても



じゃあここやってて
と適切な指示が落ち着いて出せるのですが、1:3の授業の場合は異なります。一人の生徒に教えている時に、
問題解き終わりました
私(僕)も解き終わりました
と同時に二人から言われることがあります。これ不思議と二人同時に言われると頭パニックになるんです。落ち着いて指示なんか出せませんよ。よっぽど入念に授業準備をしないと。そしてそこまで授業の入念な準備をしている人は皆無です。あらゆる想定をしておかないと適切な指示は出せません。先生の負荷はとてつもなく大きいです。
では、なぜ最近1:3の塾が増えてきたのでしょうか?
理由は大きく二つあります。
①先生の採用が難しい
個別指導塾のアルバイトのサイトを見て下さい。年中「急募」状態です。それだけ人がいません。本来であればある程度の学力があって、情熱や教えるスキルがある人を採用するべきですが、学力の低い先生や志がない先生でも採用せざるを得ない状況です。もちろん、時代が変わっても良い先生はいらっしゃいます。ただ、もしそんな先生に当たったらそれはラッキーなのかもしれません。
②コストが低くて済む
例えば生徒が30人いた場合、
1:2の指導形式の塾は講師が15名必要
1:3の指導形式の塾は講師が10名必要
1:3の方が、先生にかかるコストを大分抑えることができます。この差はとても大きいです。しかし、コストを低く済ませることを優先した場合、本来提供できる質の良いサービスが低下することに繋がります。1:3以上の塾は、自塾の利益を優先して質の低いサービスを提供していることになります。
でもね、そこは見た目を良くすることで、気づかれにくい構造になっています。どこの塾のホームページ見ても
良さそう
と思うかもしれません。でも、同じ塾業界にいれば



ひどいな~
と思うことばかりです。こんな見せかけのホームページ作って中身が全くないんです。大手の個別指導塾は、良さそうに見せるのが大の得意のようです。
個別指導塾の良さって、個別に見てくれるところだと思うんですが、大手塾ほどシステムでまわそうとするから、案外個別に見てないんです。そして、個別指導塾に通えば子どもは質問できると思ってらっしゃる方もいるかもしれませんが、これは明確に言えます。
・多くの生徒は自ら質問できない
・個別指導塾で質問できる人は集団指導塾でも質問できる
・個別指導塾で質問できない人は集団指導塾でも質問できない
本当に良い先生というのは、必ずある程度解説したら
ここまでで分からないとこない?
と優しく言ってくれます。これができる先生は素晴らしいです。でもこれが本来あるべき姿です。これができない先生は、いくつか理由があります。
・授業するだけでいっぱいっぱいで余裕がない
・質問されても答える自信がないから質問されないような雰囲気を作る
私が将来個別指導塾に自分の子どもを入れるとなったらめちゃくちゃこまかく質問しますね。
・先生はどのレベルの指導が可能なのか?例えばこんな問題のレベルは解説できるのか?
⇒今は質問しても答えられない先生が多いんです。学校ワークレベルですよ。
・うちの子は自分から質問できるタイプじゃないと思うけど、そういう子には先生はどういった指導をして分からないところを引き出すのか?そういった指導はしているのか?毎回の授業でそういった指導はしているのか?先生によるのか?
⇒先生の指導の仕方はめちゃくちゃ大事です。そもそもどれくらいの研修をしているのか?塾の先生に対してのサポート状況なんかも聞きますね。
・うちの子の理解度の確認はどのようにされるのか?理解が足りてない時はどのような対応をされるのか?
⇒個別なんだからなんか対応しているでしょう。集団と違うところを見せてほしいです。「小テストやってます」とか「わからないところは質問対応しています」なんて解答は望んでません。そんなことはどこの集団指導塾でもやってますから。
・小テストが不合格の時はどういう対応をされるのか?不合格の時は何か対応してくれるのか?分からないところは質問対応できるのか?不合格が続くようであれば、どういった声掛けをされるのか?
⇒もちろんこれは親もある程度関わらないといけないことなので塾だけに責任を押し付けるのは間違いだと分かっています。それでもどういう対応するのかを知りたいので聞きますね。どういう姿勢なのかが見えてきます。それはつまり、根本的に解決しようとしているのかどうかです。そこを見ます。
・他にもテキストは何を使っているのか?
・宿題の量は?
・うちの子のケースの場合(この学力でこの時期に入塾した場合)、どういった指導をされてどの辺の高校を目標としているのか?或いはどういった実績があるのか?それはレアケースなのか?
・うちの子が〇〇高校に行きたいと言ったらどういう指導になるのか?使うテキストは?
親は遠慮しなくていいんです。どんどん聞いた方がいいです。私は、たくさん質問してくれた方がありがたいです。たくさん質問して納得して入って頂いた方が絶対にお互いのために良いです。隠すことなんか一つもないですからね。胸を張って仕事をしています。
一番最悪なのは何か分かりますか?
1:3の個別指導塾の一番最悪なところ。それは、
講師1人に対して生徒3人まで
ホームページにこう表記しているところです。これを見ると、



1:2の時もあれば1:3の時もあるってこと?
と思いますよね。違います。
基本的に1:3の授業。1:2の時があれば超ラッキー。
ひどいですよね。大事なところを隠してるんです。1:2と1:3の授業は全然違いますからね。天と地の差ですよ。本当。だから1:2の塾でやっているところはちゃんとした塾と言えます。色々(不満も)あるかもしれませんが、それでも1:3の塾と比べて10倍いいです。もっとひどいところだと1:4の塾もあります。



カオス!
そんな授業想像もしたくありません。1:3の授業をやったことある先生は分かりますが、トラウマになるレベルです。だって明らかに生徒のためにならない授業をしているからです。それで料金が2教科1万円くらいならいいですよ。でも実際は2教科約3万円かかります。中3生なら3万円超えるんです。
例外もある
1:3以上の塾でも良い塾はあります。それは、「質問対応に特化」している塾です。これなら1:3でも(1:4でも)できます。質問対応に特化しているので、生徒は質問出来て満足度も高くなるでしょう。しかし、そもそも何を質問していいか分からないという人もいるでしょうから、もしこういう塾があったらそれは極めて珍しいタイプの塾と言えます。どちらかというと高学力向けのスタイルになると思います。「勉強の仕方のアドバイスをしてくれて質問対応に特化する塾」、それは理想の塾かもしれません。そういった塾を展開されている方がいらっしゃったら素晴らしいと思います。将来、そんな塾もやってみたいです。
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